2026.09.04
イベント・セミナー
患者・家族と医療者が同じ場所で未来を考える時間から、私たちが学んだこと
ノックオンザドア株式会社のスタッフは、2026年8月9日(日)、東京慈恵会医科大学で開催された「ALDの未来を考える会 Summer Seminar 2026」に参加しました。ALD(副腎白質ジストロフィー)は、子どもから大人まで発症年齢や症状が多様な希少疾患です。今回のセミナーでは、患者さんやご家族とともに、2025年度に改訂されたALD診療ガイドラインや拡大新生児スクリーニング、女性保因者の身体の変化などについて、専門医から最新の情報を学ぶ時間が設けられました。

副腎白質ジストロフィー(ALD)の患者会、通称:A-Future
ノックオンザドアが今回参加した理由は、とてもシンプルです。
「まず、ALDを知ること」。
患者さん、ご家族がどのような思いでALDと向き合い、どのような情報を必要としているのか。同じ場所に身を置き、直接感じることから始めたいと考えました。
「少しでも手がかりを」――先生を囲む患者・ご家族の姿
会場で特に印象に残ったのは、講演が終わったあとの光景でした。
講師の先生のもとに患者さんやご家族が集まり、「これはどうなのでしょう」「こんな場合はどう考えればいいのでしょう」と、次々に質問をされていました。参加したスタッフは、その様子について「少しでも新しい情報や手がかりを得たいという気持ちが伝わってきた」と振り返ります。
ALDは、病型によって発症年齢や症状、経過が異なります。そのため、患者さんやご家族が必要な情報を理解し、自分たちに当てはめて考えていくことは決して簡単ではありません。それでも、会場のみなさんは資料に書き込みながら熱心に耳を傾け、講演後には先生方へ積極的に質問されていました。
一方で、参加したスタッフの心に残った言葉があります。
「全然知らなくて申し訳ないんですけど……」
十分に勉強されているご家族が、専門家へ質問する前に、そう前置きされる場面が何度もあったといいます。
病気と向き合うために懸命に情報を集め、学び続けている患者さんやご家族。その努力の大きさとともに、必要な情報へたどり着くことの難しさも感じた一日でした。
ALDと診断されたとき、「ひとりではない」と知るために
今回の参加につながったご縁は、第68回日本小児神経学会学術集会でした。nanacaraの活動を通じてさまざまな患者家族会のみなさんとお話しする中で、「ALDの未来を考える会(A-Future)」のみなさんと出会いました。その後、オンラインでお互いの活動について話す機会をいただき、今回のSummer Seminarにお招きいただきました。
A-Futureは、ALDの患者会として結成された「ALD親の会」の10年間の活動を経て、2012年に法人化した団体です。家族支援、疾患啓発、研究支援を3本の柱として、勉強会や交流会、相談対応、情報提供、ALDの認知向上や研究支援などに取り組んでいます。
ALDは希少疾患であり、さらに発症年齢や症状も一人ひとり異なります。
だからこそ、診断されたときに「同じ病気と向き合っている仲間がいる」「相談できる場所がある」と知ることには、大きな意味があります。A-Futureのウェブサイトには、ALDについての情報だけでなく、診断された患者さんやご家族に向けた情報、相談窓口や支援についても掲載されています。ALDについて知りたい方、ALDと診断され情報を探している患者さんやご家族に、この場所が届くことを私たちも願っています。

A-Futureの皆様の願い
必要な情報と人につながるドアを、ひとつでも増やしたい
参加したスタッフは、今回の参加を終えてこう話しました。
「こういう家族会があるということ自体、情報を取りに行かなければ出会えないことがあります。希少疾患だからこそ、患者さんやご家族が孤独にならず、必要な情報や仲間につながれるような入口を増やしていきたいです」
患者さん、ご家族、医療者、それぞれが持っている知識や経験、そして想い。nanacaraをはじめ、患者さんやご家族、医療者とつながる場を持つノックオンザドアだからこそ、できることがあると考えています。家族会のみなさんの活動を知っていただくことも、必要としている方がその存在に出会うきっかけをつくることも、その一つです。 ノックオンザドアは、その声を聞くために、これからもドアをノックします。そして、必要としている誰かが「ひとりではない」と思える場所や人、情報へつながるドアを、みなさまと一緒に増やしていきたいと考えています。
ALD(副腎白質ジストロフィー)について
ALD(副腎白質ジストロフィー)は、子どもから大人まで、発症年齢や症状が多様な遺伝性の希少疾患です。A-Futureでは、ALDについて「早期診断・早期治療が大切」と発信し、早期発見に向けた啓発活動にも取り組んでいます。
また、ALDが遺伝性疾患であることについて、A-Futureは「誰のせいでもない」と明確に発信し、遺伝性疾患への正しい理解と共感を広げる活動を続けています。現在、一部地域では、ALDを早期に見つけるための拡大新生児スクリーニングも始まっています。疾患や検査、治療、患者さん・ご家族への支援についての詳しい情報は、A-Future公式サイトをご確認ください。
(出典:認定特定非営利活動法人ALDの未来を考える会 公式サイト https://ald-family.com/)
関連情報
認定特定非営利活動法人 ALDの未来を考える会(A-Future)