てんかん発作・お薬管理アプリ


(1)焦点切除手術に向けて準備を進める中で、娘の病気の正体が少しずつ見えてきました。
(2)娘は脳全体に原因となる素因が散らばっているタイプだったのです。
(3)つまり、今回の手術で1箇所を切り取っても、完全に発作がゼロになるわけではない。
(4)それでも、「一番大きな悪さをしている場所を切ることで、症状は格段に良くなる」という強い期待が私の中にはありました。
(5)しかし、期待の裏には、あまりにも過酷なリスクも隠れていました。
(6)一つは、運動を司る領域のギリギリを切除するため、術後に麻痺が残るかもしれないこと。
(7)そして、もう一つは手術によって「両目の左半分の視野が欠損する」というリスクでした。
(8)この子の目から、半分の景色が消えてしまう…
(9)本人が望む、望まないに関わらず、親の決断で娘の視野を奪ってしまうのか。その事実は、当時の私の心に、言葉にできないほど重く、つらくのしかかりました。
(10)この「視野の欠損」については、手術からずっと後になって、地元の主治医がこんな言葉をかけてくれたのです。
(11)「検査できないから何とも言えないけど、元々、目の神経のところに悪い箇所があったから、実は手術の前から、あまり見えていなかった可能性が高いんだよ」
(12)その言葉をいただいた時、ようやく私の心の中で、すとんと「落としどころ」を作ることができました。
(13)奪ってしまったのではない、この子が生きやすくなるために必要な選択だったのだ、と。
(14)当時はそこまでの確信を持てていたわけではありません。
(15)それでも、1回目の脳梁離断手術の時の「一か八か」という祈るような気持ちに比べれば、今回は具体的な期待も、背負うべきリスクも、すべて見据えた上での決断でした。
(16)だからこそ、不安を抱えながらも、前回より少し冷静に、そして前向きに、私たちは手術室へと向かうことができたのです。脳梁離断手術から約1年後のことでした。
(17)プロフィール 患児年齢:13歳(現在) 診断名:ウエスト症候群 医療的ケア:なし 服用中のお薬:オスポロット ガバペン